世界征服のための「言語学習/言語習得」の奥義を解説!【世界征服ラジオ#2】中田考×えらいてんちょう
ハサン中田考×えらいてんちょうの【世界征服ラジオ】#2
世界征服博士のハサン中田考と、革命家のえらいてんちょうがお届けする「世界征服ラジオ」。「世界征服ラジオ」はYoutube、web記事配信、リアルイベント、書籍出版、電子書籍出版、オーディオ出版、note (これから!)、絵本、Tシャツ、グッズ販売などなど・・・世界征服のために超メディアミックスで展開してまいります。世界征服をするために知りたいことなど読者からの質問も随時募集。世界征服の旅へ、さあ行くぞ!第2回。
■世界征服にはまず一番近い外国から・・・韓国と中国です
えらいてんちょう(以下E):今日も始まりました世界征服ラジオ。このラジオは真面目に世界征服をしていこうという趣旨でやっております。世界政府についてあまり詳しくない私が、専門家に世界征服についてうかがう、という形で進めてまいりますのでよろしくお願い致します。前回は「世界征服をするために!バイデン、プーチンを裏から操る方法【世界征服ラジオ#1】ということで収録させていただきました。その時に、いろんな言語を学んでいくのは大事だ、それで世界の至る所に同盟国を作っていくのが大事だというお話をされていましたが、ハサン先生は、現在どれぐらい言語が操れるのですか。
ハサン中田考(以下H):いくつできるのかと言われても、私は基本的にいつも家に引きこもって一人で世界征服している人間で、世界征服を目指すといっても、人としゃべったりはあまりしないんです。だから、どれだけしゃべれるか、と尋ねられると、今こうやって話していてお分かりの通り、母語の日本語でさえ何を言っているのか相手がよく聞き取れない、という・・・正直、まぁそんなものなんです。
E:そうなんですか。そんなことで世界征服できるのか。大丈夫かなぁ。
H:といっても、我々の目標は世界征服で、言葉の勉強はあくまでも手段ですから、ぶっちゃけ、言葉そのものはそんなにできなくもいいんです。むしろ、最初から完璧な運用能力など絶対に求めてはいけません。取りあえず、順を追ってお話しましょう。
E:そんなにできなくてもいいんですね。
H:我々は外国語はまず英語を最初に習うわけですよね。でもその英語だって、中学、高校と週に何時間も習ってもいったいどれくらい実際に役に立つのか、怪しいですよね。海外で10年以上暮らし、2年間は大使館で外交官のまねごとをし、国際会議でもダウトオウル元トルコ首相などと英語で議論を重ねてきましたが、それでも英語の映画になると2割ぐらいしか聞き取れません。そんなものです。英語以外の外国語を勉強したのは大学に入ってからです。
E:第二外国語では何を習ったのですか?
H:私は今で言う仮面浪人をしていたので、実は教養課程を3年やっています。1年は早稲田大学の政治経済学部にいたのですが、そこでとった第二外国語はドイツ語でした。ドイツが好きだったので。小学校、中学校での趣味の戦車のプラモデルでドイツのタイガー戦車が好きだったのと、高校で翻訳で読んだニーチェが読みたかったのが理由かな。
E:そんな理由だったんですね。世界征服に役に立つような立たないような。
H:仮面浪人といっても、真面目に講義に通っていたので、1年にわたって文法と講読を一通り勉強しましたので、東大で第二外国語としてとったドイツ語は楽勝でした。大学院入試でも第二外国語の試験はドイツ語で受けましたが、あまり苦労せず合格しました。
E:すごいじゃないですか。
H:いえ、ぜんぜんそんなことはありません。というのは、専門で結局イスラーム学を選ぶことになったのですが、私の専門だとドイツ語はほぼ全く読むことがなかったので、教養課程の3年の後はぜんぜん使わなかったので、今はもう簡単な挨拶「グーテン・モルゲン(おはよう)」「アウフヴィーダーゼーン(さようなら)」ぐらいしか覚えていません。」
E:3年勉強してもそんなものなんですね。
H:専門としてイスラーム学を選んだのでアラビア語は必修でした。ペルシャ語もイスラム学特殊講義で開講されていたので受講しました。トルコ語その他のムスリム世界の言語は当時のイスラーム学研究室では開講されていませんでした。それ以外では私はもともと駒場では聖書研究会に入って聖書学を齧っていましたので本郷ではヘブライ語を取りました。ギリシャ語は勉強したかったんですができませんでした。
E:それからどんな言葉を?
H:私の専門ではどうしてもフランス語の研究書を読まないといけないのですが学部では勉強できず、修士課程に入ってから独学で勉強しました。
E:ムスリム世界ってけっこう広いですね。
H:インドネシア語とかマレーシア語とかトルコ語とかは大学を出てから独学で学びました。インドネシア語、マレーシア語、トルコ語は一応、それらで書かれた思想書、一次資料を用いて学術論文を書いて発表するレベルまでは勉強しました。地域研究者からの評判は散々でしたけれど。それに私の語学は本を読むためのものなので、聞いて話す会話能力は、ほぼゼロです。
E:ほかにもいろいろなさってますよね?
H:最近はですね、あの世界征服にはまず近くから始めよう、ということで日本に一番近い外国というと韓国と中国ですね。韓国語、中国語ですね。韓国語は実はむかし山口大学にいた時に始めていたんですよ。実は山口からだと東京より韓国の方が近いんですよ。
E:確かにそうですね。
H:そうなんですよ、山口に行って驚いたのは、ラジオをつけると韓国語の番組の方が多いんです。カルチャーショックでしたね。でも同志社大学に移籍し山口を離れたので、中断していたのを、世界征服のために再開したのです。
E:ギリシャ語とかもなさってますよね?
H:同志社大学の神学部にいた時に、同僚の新約聖書学の先生から少し教わったのですが、同志社を離れて中断していたのですが、最近『神論(仮題)』という本を書いていて、神を論ずるなら、最低限のギリシャ語は知っていないと、と思って再開しました。
E:最近、ロシア語も始められたみたいですよね。
■やっぱり世界征服といえばロシア語か!?
H:やっぱり世界征服といえばロシア語かと思いまして。
E:すごい。私なんか英語さえもおぼつかない状態なんですけど、どうすれば多言語学習とかできるのですか?
H:言葉というのは自分がしゃべれると思ったらしゃべれるし、自分でしゃべれないと思ったら決してしゃべれません。
E:なんだかわかるようなわからないような・・・
H:アラブ世界とかだと、「俺、日本語できる、スシー(ドヤ顔)」とかいう感じで。いや、本当にそうなのですよ。だいたい、そういうノリなんです。
E:それで話せるようになるんですか?
H:話せると思えば話せるんですよ。日本人同士でも本当は相手の言うこと、全部わかってなんかいませんよね?
E:そう言われればそうですね。
H:私なんか、極端に滑舌が悪いので、理解できない以前にそもそも何を言っているのか聞き取ってさえもらえない。
E:ええ、まぁ・・・
H:それでも、聞き取れたところから、何を言いたいのか適当に推察して、話をあわせる。それで話が進んでいく。そういうものです。
E:子供が話を始めるのもそうですね。文法や単語なんか教えずに、赤ちゃんに話しかけていて、子供も大人の言うこと分かっていなくても、なんとなく話し始めますよね。そして話し始めさえすれば、いつの間にかどんどん話せるようになる。
H:そうです。「スシ」でも「ニンジャ」でも「ゴジラ」でも、きっかけは構わないんです。言葉は、自分が話せると思って、一言でも発してさえすれば、もうそれで話せているんです。
E:なるほどね。
H:逆に、自分は話せない、と思えばどんなに勉強していても話せるようにはなりません。私は、トルコ語は、もう20年近く勉強していて、原文で600頁もあるトルコ人でも難しくて読めないと言うダウトオウル元首相のStratejik Derinlikという学術書を翻訳(『文明の交差点の地政学—トルコ革新外交のグランドプラン』書肆心水2020年)していますが、自分が話せないと思っているので一言もしゃべれないんですよ。外国語学習アプリのDuolingoで、外人は日本語をどうやって勉強するのかと思って、日本語版を試してみたんですよ。そうしたら最初に出てきた単語がSushiだったんです。
E:たしかに「Konnichiwa」から覚える必要なんてないですね。じゃあ、アラビア語でsushiにあたる言葉ってなんですかね? 挨拶のアッサラームアライクムとか?
H:アッサラームアライクムは「あなたに平安あれ」という意味ですけれど、朝昼晩といつでも、会った時にも分かれる時にも使える便利な挨拶ですね。他だと「インシャーアッラー」なんか・・・
E:アラブ人のいい加減さの象徴として悪名高いヤツですね。
H:本当はインシャーアッラーは分析すると、「イン」と「シャー」と「アッラー」の3つの単語からなるんですが、「イン」は「もし~ならば」、「シャー」は「望む」、「アッラー」は神さまですね。だから、「もし神さまがお望みならば」という意味で、未来の出来事について、神の助けを祈願する言葉なのですが・・・
E:でも、神さまが望まなかったから、と言って、できなかったことの言い訳にする。
H:まぁ、実際にはそういうこともあります。でもこれは言われると、腹が立つのですが、自分が使いこなせるようになるとストレスが激減します。だから、先ず日本人は「インシャーアッラー」を覚えるといいんです。
E:うーん、そういうもんですか。じゃあフランス語だとなにがいいですか?
H:「セ・ラビ」かな。
E:なんですか、それ?
H:「C’est la vie~私のなかの恋する部分」といって、美少女戦士セーラームーンの唯一の実写版のエンディングテーマで、「それが人生」という意味です。
E:It is the lifeみたいな。なんか、いい話ですね、これで終りみたいな。
H:昔流行った「ケセラセラ(Que Sera Sera)」という歌もそんな意味ですね。「ケセラセラ なるようになるさ 先のことなどわからない」とペギー葉山が歌っていた、私の世代なら誰でも知っている名曲です。これはスペイン語らしいです。
E:ハサン先生は、いろいろな言葉のいろいろな表現をご存知ですが多言語学習のコツってなんですか?